当社グループは、2035年度を目標年次とする長期ビジョン「にしてつグループまち夢ビジョン2035『濃やかに、共に、創り支える』」を策定し、ロードマップである「カーボンニュートラル(2050)を目指して」を明示しております。
また、第16次中期経営計画(2023年度~2025年度)における削減目標をロードマップに合わせ設定しております。
CO2削減目標を
・2025年度 2013年度比38%削減(第16次中期経営計画)
・2035年度 2013年度比50%削減(長期ビジョン)
とし、国の目標である「CO2排出量2030年度 2013年度比46%削減」を達成し、カーボンニュートラル(2050年)をグループ全体で目指します。
●CO2排出量の推移について
CO2の排出量は、事業活動に伴うそれぞれのエネルギー使用量にエネルギー固有の排出係数を掛け合わせて算出します。当社グループのスコープ別エネルギー使用量は、軽油・都市ガス・その他の化石燃料に由来するScope1に関連するものが1,979千GJ(45%)、電力・熱供給に由来するScope2に関連するものが2,373千GJ(55%)となっており、電力の使用量が過半を占め、電力会社の排出係数の影響が大きいため、エネルギー使用量の推移について補足いたします。
エネルギー使用量の推移は、2014年度から2018年度においては、事業が拡大(売上増、ホテル開業、ストア事業拡大等)しているものの、省エネ対策(LED化、機器更新等の設備投資)の推進により2013年度と比較し、削減した状態を維持しました。2019年度においては、本社移転に伴う福岡ビル閉鎖・解体の影響により対前年比で削減となりました。
また、2020年度から2022年度はコロナ禍の影響が大きく、2020年度はバス・鉄道の減便、商業施設の休業および営業時間短縮、ホテルの客室稼働率低下等により、対前年度比で大幅な減少となり、2021年度は、コロナ禍からの回復傾向が見受けられ微増し、2022年度は、更なるコロナ禍からの回復に加え、新規ホテル開業の影響もあり、エネルギー使用量が増加しましたが、省エネ対策を推進し、エネルギー使用量合計としては、前年度と比較し微増となりました。
2023年度は、インバウンド需要増によって高速バス・観光バス等バス部門での軽油使用量増加やホテル客室稼働率向上による電力使用量増加の一方で、省エネ対策の推進や再エネ電力の導入等により、前年度と比較し、約8%削減を達成しております。
今後、更なる省エネ推進に加えて化石燃料からの脱却を推進し、エネルギー使用量の削減を図るとともに、再エネ由来の電力の使用比率を向上させることで排出係数の影響を軽減し、CO2排出量の削減に努めてまいります。
なお、2023年度のCO2排出量は、基準年度である2013年度比で約30%の削減を達成しています。
●CO2排出量と電力会社の排出係数について
当社グループのCO2排出量は、電力の使用量が過半を占めるため、電力会社の排出係数に伴い変動しています。(グラフ「CO2排出量と電力会社の排出係数」参照)
当社グループでは、事業活動に必要なエネルギー使用量とそれに伴い発生するCO2排出量、コピー用紙・水の使用量に対し削減目標を設定し、より効果的な活動につなげています。今年度の事業別の結果については以下のとおりです。※1
西鉄 グループ 合計 |
運輸業 |
不動産業 |
流通業 |
物流業 |
レジャー・ サービス業 |
その他 |
|
エネルギー使用量(GJ) ※2 |
4,352,823 |
2,555,938 |
176,229 |
560,656 |
164,291 |
827,896 |
67,810 |
電力(千kWh) |
269,349 |
102,779 |
15,952 |
62,697 |
4,765 |
79,712 |
3,443 |
ガス(千m3) |
2,672 |
284 |
489 |
213 |
9 |
1,655 |
19 |
オートガス(kL) |
1,230 |
1,221 |
8 |
- |
- |
- |
- |
軽油(kL) |
45,871 |
44,620 |
258 |
4 |
424 |
36 |
527 |
その他燃料(kL) |
1,793 |
360 |
177 |
114 |
63 |
610 |
467 |
熱源(千MJ) |
34,023 |
2,396 |
- |
2,484 |
219 |
28,923 |
- |
CO2排出量合計 (t-CO2)※2 |
263,001 |
163,087 |
9,775 |
30,755 |
10,728 |
44,419 |
4,234 |
Scope1(t-CO2) ※3 |
133,706 |
114,172 |
2,197 |
875 |
8,456 |
5,405 |
2,598 |
Scope2(t-CO2) ※4 ※5 ※6 |
129,295 |
48,915 |
7,577 |
29,880 |
2,272 |
39,014 |
1,635 |
水使用量(千m3) |
1,976 |
251 |
218 |
201 |
7 |
1,241 |
55 |
コピー用紙使用量 (千枚)※7 |
57,871 |
8,038 |
5,433 |
6,966 |
21,811 |
8,843 |
6,788 |
※1 対象範囲:西日本鉄道および西鉄グループ各社における管理可能な国内事業所
※2 エネルギー使用量およびCO2排出量:省エネ法・温対法に準じて算定
※3 Scope1:事業者自らによる燃料を使用して直接排出する量
※4 Scope2:他社から供給された電気、熱・蒸気を使用して間接的に排出する量
※5 電力のCO2排出換算係数:九州電力㈱の調整後排出係数(0.475t-CO2/千kWh)を使用
※6 熱供給のCO2排出換算係数:㈱福岡エネルギーサービスの西鉄福岡駅再開発地域の調整後排出係数(0.0398t-CO2/GJ)を使用
※7 コピー用紙使用量:購入ベース(サイズによる区別なし)で集計
当社グループは、2025年度を目標年次とする第16次中期経営計画において、グループ重点項目に基づき各部門・各社で具体的な目標値を含んだ環境負荷低減計画を策定し、実行しています。
ESG推進会議においては、目標に対する評価と具体策の実施状況について、半年ごとにその進捗状況の確認を行っています。
〇脱炭素社会実現に向けた取り組み
・改正省エネ法への対応
・CO2排出量の削減(総量・個別原単位) 数値目標
〇循環型社会実現に向けた取り組み 設定
・コピー用紙・水使用量の削減
・廃棄物の適正処理
○環境リスク管理の取り組み
〇各部門・各社での取り組み ①環境研修会
①CO2排出量(総量・個別原単位) 改正法令への対応や各職場で取り組むべき事項等を
※個別原単位:CO2排出量÷排出量と密接な関係を持つ値 環境担当者に対する研修を毎年実施
②コピー紙、③水使用量についてそれぞれ数値目標を立て、 ②職場訪問
それに対する具体策を策定 環境負荷低減活動や関連法令の順守状況等を確認
○情報開示の拡充
当社グループの環境負荷低減計画の実施状況については、ホームーページや有価証券報告書、CDP等の回答を通じて
積極的な情報発信を行ってまいります。
※環境マネジメント体制 (サステナブル経営)
当社グループでは、サステナブル経営のもとグループ全体の環境経営に関わる事項を協議、審議、進捗管理する場として
ESG推進会議が設置されており、環境負荷低減計画を策定した目標に対する評価と具体策の実施状況について、
半年ごとにその進捗状況の確認を行っています。
目標項目 |
中計最終年度(2025)目標値 |
2023年度実績 |
結果 |
CO2排出量(総量)の削減 ※1 ※2 |
2013年度比 ▲25% |
▲22.5% |
〇 |
コピー用紙使用量の削減 ※3 |
2014年度比 ▲25% |
▲28.4% |
◎ |
水使用量の削減 |
2014年度比 ▲15% |
▲13.6% |
〇 |
※1 電力によるCO2排出量の算定にあたっては、電気事業連合会等が2015年7月に「電気事業における低炭素社会実行計画」で公表した排出係数【0.37kg-CO2/kWh】を管理値として使用
※2 電力以外のエネルギーによるCO2排出量の算定にあたっては、基準年度(2013年度)の環境省「温室効果ガス排出量算定・報告マニュアル」を参照
※3 コピー用紙の使用枚数は、購入ベース(サイズによる区別なし)で集計
なお、環境負荷低減計画については、上記の指標を用いて目標管理しています。
当社グループでは、部門別の目標値を策定しています。この目標のうちCO2排出量(総量・個別原単位)、コピー用紙使用量、水使用量について2023年度実績について公表いたします。
部門 |
2023年度目標 (2013年度比) |
実績(単位:t-CO2) |
2013年度比 |
結果 |
達成/未達成理由 |
||
2013年度 |
2023年度 |
||||||
西日本鉄道 |
バス |
▲26.0% |
93,187 |
68,777 |
▲ 26.2% |
◎ |
・営業所の廃止 ・路線減運による走行距離減少の影響 ・電気バス導入 |
鉄道 |
▲13.0% |
39,713 |
34,280 |
▲ 13.7% |
◎ |
・省エネ車両(VVVF車)の増加 ・ダイヤ改正・自然災害に伴う車両走行キロ減 |
|
住宅 |
▲51.0% |
144.4 |
60.6 |
▲ 58.0% |
◎ |
・節電意識の向上 ・働き方改革(残業減) ・ギャラリーの平日稼働減 |
|
都市開発(商業施設) |
▲24.8% |
12,440 |
8,641 |
▲ 30.5% |
◎ |
・営業時間短縮 ・照明のLED化 ・再エネECOプランの導入 |
|
都市開発(ビル) |
▲28.8% |
9,376 |
6,988 |
▲ 25.5% |
〇 |
・空調設備更新 |
|
国際物流 |
▲9.0% |
1,770 |
1,321 |
▲ 25.4% |
◎ |
・再生可能エネルギーの導入 ・照明のLED化 ・営業車の走行距離減少 |
|
本社部門 |
▲13.1% |
254.6 |
219.5 |
▲ 13.8% |
◎ |
・本社移転による空調機新調、照明LED化 ・共用部分の空調管理強化 |
|
西鉄グルlプ |
西鉄バス北九州(株) |
▲24.8% |
23,474 |
17,485 |
▲ 25.5% |
◎ |
・レトロフィット電気バスの導入 |
筑豊電気鉄道(株) |
▲27.0% |
1,438 |
1,045 |
▲27.3% |
◎ |
・空調機の更新 ・環境対応型自動車への代替 |
|
博多バス ターミナル(株) |
▲25.0% |
3,630 |
2,643 |
▲ 27.2% |
◎ |
・空調設備の管理強化 ・照明のLED化 |
|
西鉄運輸(株) |
+19.0% |
6,552 |
7,522 |
+14.8% |
◎ |
・需要増による走行距離増加の影響 |
|
(株)海の中道海洋生態科学館 |
▲31.5% |
3,639 |
2,453 |
▲ 32.6% |
◎ |
・中央監視設備更新においてエネルギー使用量の見える化を実施 |
|
(株)西鉄ストア |
▲25.0% |
30,927 |
23,273 |
▲ 24.7% |
〇 |
・PPA事業による太陽光発電の店舗設置 ・冷蔵ケース内のLED化 |
|
(株)西鉄ホテルズ |
+3.6% |
16,078 |
17,150 |
+6.7% |
△ |
・稼働客室数の増加によるエネルギー使用量増 |
部門 |
2023年度目標 (2013年度比) |
実績(単位:t-CO2) |
2013年度比 |
結果 |
達成/未達成理由 |
||
2013年度 |
2023年度 |
||||||
西日本鉄道 |
バス |
+8.0% |
0.83 |
0.89 |
+7.6% |
◎ |
・路線減運による走行距離減少の影響 |
走行キロ(千km)当りのCO2排出量 |
|||||||
鉄道 |
▲8.0% |
0.98 |
0.90 |
▲ 8.3% |
◎ |
・車両走行キロ減少の影響 |
|
走行キロ(千km)当りのCO2排出量 |
|||||||
住宅 |
▲29.0% |
2.45 |
1.68 |
▲ 31.2% |
◎ |
・従業員数減によるエネルギー使用量減 |
|
従業員1人当りのCO2排出量 |
|||||||
都市開発(商業施設) |
▲22.8% |
51.83 |
36.37 |
▲ 29.8% |
◎ |
・空調設備更新 ・営業時間短縮 |
|
延床面積(千㎡)当りのCO2排出量 |
|||||||
都市開発(ビル) |
▲22.4% |
0.10 |
0.08 |
▲ 24.0% |
◎ |
・充足率上昇のため |
|
賃貸可能面積×充足率(㎡)当りのCO2排出量 |
|||||||
国際物流 |
▲25.0% |
16.55 |
10.92 |
▲ 34.0% |
◎ |
・再生可能エネルギーの導入 ・照明のLED化 ・エコカーへの代替 |
|
取扱量変動率の平均値(%)当りのCO2排出量 |
|||||||
本社部門 |
▲8.0% |
33.50 |
30.53 |
▲ 8.8% |
◎ |
・本社移転による空調機新調、照明LED化 ・共用部分の空調管理強化 |
|
延床面積(千㎡)当りのCO2排出量 |
|||||||
西鉄グルlプ |
西鉄バス北九州(株) |
+4.0% |
0.86 |
0.90 |
+3.8% |
◎ |
・路線減運による走行距離減少の影響 |
走行キロ(千km)当りのCO2排出量 |
|||||||
筑豊電気鉄道(株) |
▲14.0% |
1.51 |
1.27 |
▲ 15.7% |
◎ |
・ダイヤ改正に伴う減便の影響 |
|
走行キロ(千km)当りのCO2排出量 |
|||||||
博多バスターミナル(株) |
▲25.0% |
79.56 |
57.94 |
▲ 27.2% |
◎ |
・空調設備の管理強化 ・照明のLED化 |
|
延床面積(千㎡)当りのCO2排出量 |
|||||||
西鉄運輸(株) |
▲6.0% |
0.52 |
0.49 |
▲ 5.2% |
〇 |
・輸送集約の推進 ・実車率の向上 |
|
走行キロ(千km)当りのCO2排出量 |
|||||||
(株)海の中道海洋生態科学館 |
▲31.5% |
252.72 |
170.35 |
▲ 32.6% |
◎ |
・中央監視設備更新においてエネルギー使用量の見える化を実施 |
|
延床面積(千㎡)当りのCO2排出量 |
|||||||
(株)西鉄ストア |
▲18.0% |
64.03 |
53.63 |
▲ 16.3% |
〇 |
・PPA事業による太陽光発電の店舗設置 ・冷蔵ケース内のLED化 |
|
売場面積×営業時間(千㎡/h)当りのCO2排出量 |
|||||||
(株)西鉄ホテルズ |
▲2.5% |
12.15 |
12.30 |
+1.2% |
△ |
・新規開業に伴うエネルギー使用量増 ・稼働客室数の増加によるエネルギー使用量増 |
|
年間稼動客室数(千室)当りのCO2排出量 |
部門 |
2023年度目標 (2014年度比) |
実績(単位:千枚) |
2014年度比 |
結果 |
達成/未達成理由 |
||
2014年度 |
2023年度 |
||||||
西日本鉄道 |
国際物流 |
▲7.0% |
25,752 |
19,866 |
▲ 22.9% |
◎ |
・請求書電子化推進 ・システム利用による資料のデータ化 |
本社部門 |
▲57.0% |
5,179 |
2,372 |
▲ 54.2% |
〇 |
・会議用PCモニターの活用 ・会議、共有ツールの活用 |
|
西鉄グルlプ |
西鉄旅行(株) |
▲48.0% |
5,542 |
2,608 |
▲ 52.9% |
◎ |
・請求書・社内帳票の電子化 ・ペーパーレス会議の実施 |
(株)西鉄ストア |
▲15.0% |
7,576 |
6,668 |
▲ 12.0% |
〇 |
・業務プロセスの見直し ・ペーパーレス化の推進 |
|
(株)西鉄ホテルズ |
▲33.1% |
4,438 |
2,817 |
▲ 36.5% |
◎ |
・予約サイト内の残室数管理自動化 ・ペーパーレス化の推進 |
部門 |
2023年度目標 (2014年度比) |
実績(単位:千m3) |
2014年度比 |
結果 |
達成/未達成理由 |
||
2014年度 |
2023年度 |
||||||
西日本鉄道 |
バス |
▲37% |
124 |
77 |
▲ 37.7% |
◎ |
・節水型洗車機導入 ・洗車台数減 |
都市開発 (商業施設) |
▲19.7% |
533 |
408 |
▲ 23.4% |
◎ |
・節水型自動装置の設置 ・各テナントへの節水呼びかけ |
|
西鉄グルlプ |
西鉄バス北九州(株) |
▲35% |
45 |
28 |
▲ 37.8% |
◎ |
・節水器具(節水コマ等)の活用 ・洗車機の効率的な使用 |
(株)西鉄ストア |
▲27% |
221 |
198 |
▲ 10.0% |
〇 |
・水量調整機器による節水の徹底 ・節水の啓発 |
|
(株)西鉄ホテルズ |
+5.4% |
614 |
696 |
+13.3% |
△ |
・新規開業に伴う使用量増の影響 ・新規ホテルでの節水機器導入 |