新車の導入においては、最新の排ガス規制に適合した車両を導入しており、窒素酸化物や粒子状物質などの有害物質をほとんど排出しない低公害車となっています。また、CO2排出量削減のため電気バスの導入を進めています。
当社では燃料節約や排ガス削減のためアイドリングストップを推進しておりますが停車中には冷房ができないという問題がありました。2009年以降に導入した車両は、アイドリングストップ中も冷房送風が可能な装置(自動アイドリングストップシステム)を搭載しています。2023年度末時点で1,258台導入しており、今後も拡大の予定です。
ディーゼルエンジンと電気モーターを組み合わせ、減速時に蓄えたエネルギーを負荷の大きい発進・加速時に活用するハイブリッドバスを導入しています。2008年度から国や関係自治体のご協力を得て導入を開始し、2023年度末時点で20台運行しています。

2050年カーボンニュートラルに向けた取り組みとして、自動車事業本部では、電気バスの導入拡大を進めています。
2020年2月、ディーゼルエンジンの車両を改造した電気バスをアイランドシティ営業所に1台導入しました。さらに、2021年10月には住友商事㈱よりご提供いただいた改造電気バスを同営業所へ追加導入し、九州電力㈱の開発による大容量充放電器の活用で、電気バス2台で営業所全体のエネルギーマネジメントに関する実証実験を行いました。その結果、電気バス2台を活用することで電力のピークシフトに寄与できることが確認できました。
電気バスはディーゼルバスと比較してCO2排出量を約50%削減できるだけでなく、災害時の非常電源としても活用を見込んでいます。

2020年度から開発を進めてきた車齢13~15年の既存ディーゼルバスを電動化した「レトロフィット電気バス」の試作初号機を2022年6月に導入し、2023年度末までに福岡市内および北九州市内路線に計23台導入しています。
改造電気バスに関しては、全国でも様々な取り組み事例がありますが、中古バスを改造して電動化する珍しい事例として注目をいただいています。

一般路線バスの2023年度の燃費は、エコドライブの徹底により、デジタルタコグラフ導入前の2004年と比べて3.8%向上しています。
デジタルタコグラフを利用して、運行中の走行速度やエンジン回転数、走行距離など詳細情報を記録し、分析および評価を行っています。その中で、アイドリングストップの評価に関しては、実施回数だけでなく一定時間以上行っているかという質を評価するなど、燃費改善効果を最大限に発揮できるよう運行管理に努めています。
エコドライブに精励した乗務員を表彰する「エコ運転表彰」を2009年より実施しています。2023年度は76名の乗務員に表彰を行い、一人ひとりのエコドライブ意識の高揚に寄与しています。
2012年8月よりバス停にソーラーパネルの設置を行っています。2023年度末現在で、23箇所に設置しており、発電した電力は全てバス停(行先表示板)の照明として使用し、節電に努めています。
エコドライブ推進による燃費改善や温室効果ガスの削減が評価され、2017年度「福岡県循環型社会形成推進功労者知事表彰」を受賞しました。 これは、自動車事業本部全体で、2004年から継続して環境負荷低減活動に取り組んでおり、その成果が認められたものです。


2019年度エコ事業所表彰(2018年度取組結果)において、片江自動車営業所が「その他の地球にやさしい活動部門」で最優秀賞を受賞しました。これは、低燃費バスの導入やパークアンドライド等の推進、地域において環境をテーマにした特別授業を行う等の取り組みを実施していることと、バス運行時のエコドライブ実施等でCO_{2}排出量を大きく削減していることが評価されたものです。


福岡小松フォークリフト(株)では、コマツ独自の技術により、特定特殊自動車排出ガス2014基準をクリア―し、環境性能と低燃費・作業性を両立した大型フォークリフトと、耐水性、耐塵性に優れた、高性能の電動式フォークリフトの拡販に取り組んでおります。
今後も、環境性能に優れたフォークリフトの拡販に取り組み、お客さまの現場の省エネやCO2削減を推進することで、環境負荷低減に取り組んでまいります。

天神大牟田線では、電力効率に優れたVVVFインバータ制御装置やブレーキ時の発生電力を電源側に返す電力回生ブレーキ等を搭載した新型車両(VVVF車)の導入を推進し、運転電力の削減に努めています。付帯電力については、駅構内の照明および信号機や踏切警報灯のLED化など省エネ化を進めています。
天神大牟田線については、新型車両の導入が進み、2024年3月末で、全車両282両に対してVVVF車が161両と全体の57%を、電力使用量は減少傾向にあります。
- 拡大
- 9000形車両
- 拡大
- LED駅照明看板
筑豊電気鉄道(株)では、電力効率に優れたVVVFインバータ制御装置やブレーキ時の発生電力を電源側に返す電力回生ブレーキ、車内の照明にLEDを採用した新型低床式LRV5000形を4編成導入しており、運転電力の削減に努めています。
付帯電力については、全ての駅舎、踏切、信号ならびに車内照明のLED化を完了しました。建物施設の照明の省エネ化も順次進めており、今後も継続していきます。

車両整備課では、昼休みの消灯、エアコンの温度調節、室内照明のLED化、節水コマの取り付け、ITの活用、ボイラー稼働時間の調整、台車洗浄工程の見直し等も行い、電気、水、紙、重油、灯油の使用量の削減に努めています。
コピー用紙裏紙の再利用

室内照明のLED化

福ビル街区建替プロジェクトでは、2022年7月29日付で経産省が実施するZEB(※1)実証事業に採択され、環境性能の高い設備機器等の導入により、オフィスエリアのZEB Ready(※2)、ビル全体でのZEB Oriented(※3)を目指し取り組みを進めております。あわせて、ZEBリーディングオーナーに登録し、ZEB化の普及を図ります。
- ZEB…快適な室内環境を実現しながら、建物で消費する年間の一次エネルギーの収支をゼロにすることを目指した建物
- ZEB Ready…ZEBを見据えた先進建築物として、外皮の高断熱化及び高効率な省エネルギー設備を備えた建築物
- ZEB Oriented…ZEB Readyを見据えた建築物として、外皮の高性能化及び高効率な省エネルギー設備に加え、更なる省エネルギーの実現に向けた措置を講じた建築物

西鉄ウェルネス㈱では、各施設でのLED化を進めており、2023年度は、西新パレスドームにおいて館内水銀灯をLED照明へ変更しました。
また本社事務所では複数のゴミ箱を設置し、ゴミの分別を徹底しています。
今後も継続して小目のLED化や環境負荷低減に取り組んでまいります。
㈱インキューブ西鉄では、2014年度より各店舗の照明器具のLED化を進めています。2023年度は、リニューアル工事に合わせて1店舗をLED化、2024年3月現在で18店舗のLED化を完了しています。
今後、LED化に対応できていない店舗についてもリニューアル工事に合わせて実施し、省エネ対策・CO2排出量削減に取り組んでまいります。
2023年度までに69店舗において、冷蔵陳列ケース内の照明をLEDに変更し、2023年度までに1,128,826kwh(417t-CO2相当)を削減いたしました。
またスーパーマーケット51店舗において電力使用量の見える化システム(エナッジ)を導入し、デマンド管理に努め、省エネを実施しております。今後も継続して参ります。

電力使用量の見える化システム(エナッジ)
(株)西鉄ホテルズが運営する国内18ホテルのうち13ホテルで、2024年4月より非化石証書の調達を利用したCO2フリーの再生可能エネルギー由来電力を導入しています。このグリーン化によるCO2削減効果は、年間約7,600トンとなり、一般家庭の約4,400世帯分(※)に相当します。
当社ホテルグループでは、今後さらにグリーン化対象ホテルの拡大に取り組んでまいります。
※1世帯当たりの年間CO2排出量(電気)1.72(t-CO2)で算定
西鉄ホテルグループでは、ご連泊のお客さまにエコ清掃へのご協力をお願いしております。お客さまのご理解のもと、ご滞在中の清掃を原則2日に1回とさせていただくことで、ベッドシーツやナイトウェアといったリネン類の洗剤排水等の削減に努めています。

西鉄ホテルグループは、2022 年 4月に「プラスチックに係る資源循環の促進等に関する法律」が施行されたことに伴い、プラスチックアメニティの削減に取り組んでいます。
ソラリア西鉄ホテル、西鉄ホテルクルーム、西鉄インの国内17店舗については、2022年6月1日よりアメニティの客室常備をやめ、フロントスペースにアメニティバーを設置しました。お客さまが必要なものを必要なだけお取りいただけるようにすることで、プラスチックごみの削減につなげます。また、プラスチックアメニティの素材を環境にやさしい素材(竹・藁を一部配合等)へ順次変更するよう進めており、化石燃料およびCO2排出削減に努めてまいります。

国際物流部門では、物流分野での環境負荷低減、物流の生産性向上等、持続可能な物流体系の構築にお客さまと共に取り組んでいます。
国内輸送、特に長距離輸送において、トラック輸送から鉄道輸送への変更を提案しています。鉄道輸送は同一区間をトラックで輸送した場合と比べ、CO2排出量は約11分の1以下という効果が期待できるものです。(※1)
また、大阪から東京への貨物の鉄道における保税運送対応も始めました。(※2)
トラック輸送を、最寄りの貨物駅と集荷・配送先の間とします。
●大阪から東京への貨物の鉄道における保税運送対応例

※1 国土交通省HP 『環境面から見た貨物鉄道輸送』
https://www.mlit.go.jp/tetudo/tetudo_tk2_000016.html
※2 日本貿易振興機構(ジェトロ)HP 『税関からの保税運送の一括承認:日本』
https://www.jetro.go.jp/world/qa/04A-020119.html
コンテナラウンドユース(CRU)とは、輸入コンテナを荷卸後、空いたコンテナを輸出荷積に継続して利用することです。これにより港へ空のコンテナを返却する際の輸送がなくなります。お客さま、船会社と協力して、コンテナラウンドユース (CRU)の実践を推進します。

電気使用量の削減のため、倉庫における屋内照明のLED化を推進しています。成田ロジスティクスセンターでは全フロアの倉庫部分に合計705個のLED照明を導入しました。また、りんくうロジスティクスセンターでは、全1,547台のLED照明を導入しました。

りんくうロジスティクスセンター
西鉄物流(株)では、走行距離に対する燃料消費量を抑制し、CO2排出量を削減するとされる低燃費タイヤ (エコタイヤ)の導入を推進しています。
自治体とトラック協会が進める環境保全の取り組みに賛同し、ご協力を得ながら、車検のタイミングなどに合わせてエコタイヤを導入しています。
2023年度導入実績:44台中26台で導入。
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筑紫太陽光発電所 |
脇山太陽光発電所 |
田川伊田太陽光発電所 |
設置形態 |
屋根置き型 |
平置き型 |
平置き型 |
発電設備 |
ソーラーパネル 2,296枚 |
ソーラーパネル 2,072枚 |
ソーラーパネル 2,912枚 |
発電容量 |
500kW |
500kW |
600kW |
運用開始 |
2013年7月26日 |
2014年1月29日 |
2015年1月29日 |
年間 発電量 |
約629MWh (住宅換算約126戸) |
約536MWh/年 (住宅換算約107戸) |
約852MWh/年 (住宅換算約170戸) |
![]() ※住宅1戸当たりの平均年間電力使用量 : 5,000kWh/年(総務省統計局「家計調査」データより) |
太陽光オンサイト PPA 事業を通して、太陽光発電等の再生可能エネルギ ーの活用による脱炭素化や防災力強化のさらなる推進を図るとともに、再生可能エネルギーを起点とし た地域振興策に連携して取り組んでいます。
①直方市とオンサイト PPA を締結し直方市汚泥再生処理センターに電力供給開始

マルハニチロ新石巻工場
西鉄自然電力合同会社は、増加する再生可能エネルギーに対する調整力の供給を目的に系統用蓄電池事業に参入いたしました。2024年6月に第1号となる蓄電所「西鉄自然電力 バッテリーハブ宇美」の運用を開始しました。同蓄電所は、蓄電容量:4.659MWh(出力:1.92MW)と一般家庭約 400 世帯の1日の使用量に相当する電力量の需給バランスを保つ能力を供給しています。
蓄電池を活用した エネルギーマネジメントの取り組みを通じて、再生可能エネルギーの効率的な活用と安定供給に寄与し、サステナブルな脱炭素社会の実現に貢献してまいります。

バッテリーハブ宇美
NNR マレーシアでは、脱炭素化への取り組みの一環として、ペナンオフィス及び倉庫に太陽光パネルを設置し、2022年10月より太陽光発電を開始しました。1年間で約170,000kWh(住宅換算約34戸)を発電し、100%太陽光発電システムによるエネルギーで運用しています。

ペナン倉庫の太陽光パネル
NNR タイでは、脱炭素化への取り組みの一環として、バンコクの倉庫に太陽光パネルを設置し、2024年4月より太陽光発電を開始しました。使用する電力の約30%を太陽光エネルギーに代替しています。

バンコク倉庫の太陽光パネル
㈱スピナでは、環境に配慮する視点から、再生可能エネルギーである太陽光に着目し、既存施設の屋根を利用した太陽光発電事業に参入致しました。太陽光発電設備を設置している施設は、北九州市に立地する「スピナマート穴生店」「スピナラソリエ高見店」「スピナガーデン大手町」の3 箇所です。合計約4,000 ㎡の面積で、総出力450kW(キロワット)の発電能力を有し、年間約13.5万kgのCO2を削減します。スピナは太陽光売電事業を通じて今後の電力需要に対応するとともに、地域社会の一員として脱炭素化・省エネ活動を推進し、環境負荷低減に貢献してまいります。
- 拡大
- スピナマート穴生店
- 拡大
- スピナラソリエ高見店
(株)西鉄ストア「あんくる夢市場 甘木店」では、2014年1月より太陽光発電事業を実施しています。店舗にソーラーパネル(太陽光発電設備)を設置しており、2023年度は約10.2万kwh(住宅換算約18.6世帯分)を発電しました。
またPPA事業による太陽光発電の店舗設置も行っており、2023年度までにレガネット中間・レガネット福津・レガネット東郷・香椎花園店の4店舗に設置いたしました。
今後も地域社会の一員として地球環境に配慮した取り組みを推進するとともに、低炭素化・省エネに努めてまいります。

レガネット福津の太陽光発電