一般路線バスの2022年度の燃費は、エコドライブの徹底により、デジタルタコグラフ導入前の2004年と比べて5.6%向上しています。
デジタルタコグラフを利用して、運行中の走行速度やエンジン回転数、走行距離など詳細情報を記録し、分析および評価を行っています。その中で、アイドリングストップの評価に関しては、実施回数だけでなく一定時間以上行っているかという質を評価するなど、燃費改善効果を最大限に発揮できるよう運行管理に努めています。
エコドライブに精励した乗務員を表彰する「エコ運転表彰」を2009年より実施しています。2019年度は94名の乗務員に表彰を行い、一人ひとりのエコドライブ意識の高揚に寄与しています。
※2020~2022年度の表彰は新型コロナウイルス感染症拡大の影響により中止しました。
新車の導入においては、最新の排ガス規制に適合した車両を導入しており、窒素酸化物や粒子状物質などの有害物質をほとんど排出しない低公害車となっています。また、CO2排出量削減のため電気バスの導入を進めています。
当社では燃料節約や排ガス削減のためアイドリングストップを推進しておりますが停車中には冷房ができないという問題がありました。2009年以降に導入した車両は、アイドリングストップ中も冷房送風が可能な装置(自動アイドリングストップシステム)を搭載しています。2022年度末時点で1,210台導入しており、今後も拡大の予定です。
ディーゼルエンジンと電気モーターを組み合わせ、減速時に蓄えたエネルギーを負荷の大きい発進・加速時に活用するハイブリッドバスを導入しています。2008年度から国や関係自治体のご協力を得て導入を開始し、2022年度末時点で20台運行しています。
2050年カーボンニュートラルに向けた取り組みとして、自動車事業本部では、電気バスの導入拡大を進めています。
2020年2月、ディーゼルエンジンの車両を改造した電気バスをアイランドシティ営業所に1台導入しました。さらに、2021年10月には住友商事㈱よりご提供いただいた改造電気バスを同営業所へ追加導入し、九州電力㈱の開発による大容量充放電器の活用で、電気バス2台で営業所全体のエネルギーマネジメントに関する実証実験を行いました。その結果、電気バス2台を活用することで電力のピークシフトに寄与できることが確認できました。
電気バスはディーゼルバスと比較してCO2排出量を約50%削減できるだけでなく、災害時の非常電源としても活用を見込んでいます。
2020年度から開発を進めてきた車齢13~15年の既存ディーゼルバスを電動化した「レトロフィット電気バス」の試作初号機を2022年6月に北九州市内路線に1台導入し、さらに2023年3月には福岡市内路線に2台導入しました。
改造電気バスについては、全国でも様々な取り組み事例がありますが、中古バスを改造して電動化する珍しい事例として注目をいただいています。
2012年8月より福岡市内のバス停にソーラーパネルの設置を進めています。2022年度末現在で、27箇所に総出力20Wのソーラーパネルを設置しています。発電した電力は全てバス停(行先表示板)の照明として使用し、節電に努めています。
エコドライブ推進による燃費改善や温室効果ガスの削減が評価され、2017年度「福岡県循環型社会形成推進功労者知事表彰」を受賞しました。 これは、自動車事業本部全体で、2004年から継続して環境負荷低減活動に取り組んでおり、その成果が認められたものです。
2019年度エコ事業所表彰(2018年度取組結果)において、片江自動車営業所が「その他の地球にやさしい活動部門」で最優秀賞を受賞しました。これは、低燃費バスの導入やパークアンドライド等の推進、地域において環境をテーマにした特別授業を行う等の取り組みを実施していることと、バス運行時のエコドライブ実施等でCO_{2}排出量を大きく削減していることが評価されたものです。
福岡小松フォークリフト㈱では、コマツ独自の技術により、特定特殊自動車排出ガス2014基準をクリア―し、環境性能と低燃費・作業性を両立した大型フォークリフトと、耐水性、耐塵性に優れた、高性能の電動式フォークリフトの拡販に取り組んでおります。
今後も、環境性能に優れたフォークリフトの拡販に取り組み、お客様の現場の省エネやCO_{2}削減を推進することで、環境負荷低減に取り組んでまいります。
天神大牟田線では、電力効率に優れたVVVFインバータ制御装置やブレーキ時の発生電力を電源側に返す電力回生ブレーキ等を搭載した新型車両(VVVF車)の導入を推進し、運転電力の削減に努めています。付帯電力については、駅構内の照明および信号機や踏切警報灯のLED化など省エネ化を進めています。
天神大牟田線については、新型車両の導入が進み、2023年3月末で、全車両281両に対してVVVF車が154両と全体の55%を占め、電力使用量は減少傾向にあります。
筑豊電気鉄道(株)では、電力効率に優れたVVVFインバータ制御装置やブレーキ時の発生電力を電源側に返す電力回生ブレーキ、車内の照明にLEDを採用した新型低床式LRV5000形を4編成導入しており、運転電力の削減に努めています。
付帯電力については、全ての駅舎、踏切、信号ならびに車内照明のLED化を完了しました。建物施設の照明の省エネ化も順次進めており、今後も継続していきます。
車両整備課では、昼休みの消灯、エアコンの温度調整、節水コマの取り付け、回覧および電子メール活用やボイラー稼動時間の調整、台車洗浄工程の見直し等も行い、電気、水、紙、重油、灯油の使用量の削減に努めています。
ウエスの再利用
コピー用紙裏紙の再利用
車両整備課では、一般廃棄物、産業廃棄物、特別産業廃棄物の排出量を管理しています。その中でも産業廃棄物及び特別産業廃棄物に関してはマニフェストを作成し、廃棄物の運搬、中間処理、最終処分に至るまでを管理することで、不適切な処理による環境汚染、不法投棄等を未然に防止しています。また、廃棄物を金属、ガラス、蛍光灯等に細かく分類し、リサイクル可能な資源として業者に搬出しています。
廃油等の適正管理及び漏洩の防止
廃棄物置場
廃棄物の分別収集
廃棄物の分別収集
車両整備課が該当する主な法律には以下のものがあります。
- 環境基本法
- 循環型社会形成推進基本法
- 大気汚染防止法
- 振動規制法
- 騒音規制法
- 水質汚濁防止法
- 浄化槽法
- 廃棄物の処理及び清掃に関する法律
- 特定家庭用機器再商品化法
- フロン類の使用の合理化及び管理の適正化に関する法律
- 消防法
- 危険物の規制に関する政令
- 悪臭防止法
- 特定化学物質の環境への排出量の把握等及び管理の改善の促進に関する法律(PRTR法)
- 粉じん障害防止規則
- 有機溶剤中毒予防規則 等
福ビル街区建替プロジェクトでは、2022年7月29日付で経産省が実施するZEB(※1)実証事業に採択され、環境性能の高い設備機器等の導入により、オフィスエリアのZEB Ready(※2)、ビル全体でのZEB Oriented(※3)を目指し取り組みを進めております。あわせて、ZEBリーディングオーナーに登録し、ZEB化の普及を図ります。
- ZEB…快適な室内環境を実現しながら、建物で消費する年間の一次エネルギーの収支をゼロにすることを目指した建物
- ZEB Ready…ZEBを見据えた先進建築物として、外皮の高断熱化及び高効率な省エネルギー設備を備えた建築物
- ZEB Oriented…ZEB Readyを見据えた建築物として、外皮の高性能化及び高効率な省エネルギー設備に加え、更なる省エネルギーの実現に向けた措置を講じた建築物
福岡市の取り組み『クールシェアふくおか』に「ソラリアステージ」「ソラリアプラザ」「レイリア大橋」の当社3施設が参加しています。
夏の外出時の休憩場所に商業施設(クールシェアスポット)を利用していただくことで、家庭でのエアコンなどの使用を減らし、省エネ・CO2の削減に寄与してまいります。
博多バスターミナル(株)では、設備の老朽化に伴ない、省エネ・環境性において最も優れている蓄熱式空調システムを採用し、熱源機を最新の高効率ヒートポンプへ更新しました。同時に店舗内照明のLED化を計画的に進めたその結果、昼間のピーク電力を更新前に比べ約170kW低減、空調設備の年間電力使用量を前年比30%削減することができました。こうした取組みの成果が認められ2015年度エネルギー管理優良工場等表彰で九州経済産業局長賞を受賞しました。今後も省エネ・省コストとなる運用改善に積極的に取り組み、環境負荷低減に努めます。
西鉄ウェルネス(株) では、各施設でのLED化を進めています。西新パレスドームにおいて館内水銀灯をLED照明に変更する計画です。
また本社事務所では複数のゴミ箱を設置し、ゴミの分別を徹底しています。
今後も継続して照明のLED化や環境負荷低減に取り組んでまいります。
㈱インキューブ西鉄では、2014年度より各店舗の照明器具のLED化を進めています。2022年度は、新規開業した2店舗に加えて、リニューアル工事に合わせて2014年以前に開業した4店舗の合計6店舗の照明をLED化し、2023年3月現在で18店舗のLED化を完了しました。
今後、LED化に対応できていない2店舗についてもリニューアル工事に合わせて実施し、省エネ対策・CO2排出量削減に取り組んでまいります。
西鉄グランドホテル、ソラリア西鉄ホテル、クルーム西鉄ホテル、西鉄インでは、客室内にエコロジーカードをご用意し、お客様のご要望により、ご連泊時のベットメイクはシーツ、部屋着の交換を行わないエコ清掃を実施しています。
また、ホテルのリニューアルにあわせてLED照明への更新、節水型シャワーヘッドへの交換等を行い、CO_{2}削減・環境資源保護に取り組んでいます。
西鉄ホテルグループは、2022 年 4月に「プラスチックに係る資源循環の促進等に関する法律」が施行されたことに伴い、プラスチックアメニティの削減に取り組んでいます。
西鉄イン、西鉄ホテルクルーム、ソラリア西鉄ホテルの国内16店舗については、2022年6月1日より客室アメニティの常設を廃止し、フロントロビーフロアにアメニティバーを設置しました。お客様が必要なアメニティだけをお選びいただくことは、プラスチックの削減およびゴミの削減につながります。また、現在のプラスチックアメニティの素材を環境にやさしい素材(竹・サトウキビを一部配合等)に順次変更していくことで、化石燃料およびCO_{2}排出削減に努めてまいります。
国際物流部門では、物流分野での環境負荷低減、物流の生産性向上等、持続可能な物流体系の構築にお客様と共に取り組んでいます。
国内輸送、特に長距離輸送において、トラック輸送から鉄道輸送への変更を提案しています。鉄道輸送は同一区間をトラックで輸送した場合と比べ、CO_{2}排出量は約11分の1以下という効果が期待できるものです。(※1)
また、大阪から東京への貨物の鉄道における保税運送対応も始めました。(※2)
トラック輸送を、最寄りの貨物駅と集荷・配送先の間とします。
※1 国土交通省HP 『環境面から見た貨物鉄道輸送』
https://www.mlit.go.jp/tetudo/tetudo_tk2_000016.html
※2 日本貿易振興機構(ジェトロ)HP 『税関からの保税運送の一括承認:日本』
https://www.jetro.go.jp/world/qa/04A-020119.html
コンテナラウンドユース(CRU)とは、輸入コンテナを荷卸後、空いたコンテナを輸出荷積に継続して利用することです。これにより港へ空のコンテナを返却する際の輸送がなくなります。お客様、船会社と協力して、コンテナラウンドユース (CRU)の実践を推進します。
電気使用量の削減のため、倉庫における屋内照明のLED化を推進しています。成田ロジスティクスセンターでは全フロアの倉庫部分に合計705個のLED照明を導入しました。
西鉄物流(株)では、走行距離に対する燃料消費量を抑制し、CO_{2}排出量を削減するとされる低燃費タイヤ (エコタイヤ)の導入を推進しています。
自治体とトラック協会が進める環境保全の取り組みに賛同し、ご協力を得ながら、車検のタイミングなどに合わせてエコタイヤを導入しています。
2022年度導入実績:全45台のうち21台で導入。
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筑紫太陽光発電所 |
脇山太陽光発電所 |
田川伊田太陽光発電所 |
設置形態 |
屋根置き型 |
平置き型 |
平置き型 |
発電設備 |
ソーラーパネル 2,296枚 |
ソーラーパネル 2,072枚 |
ソーラーパネル 2,912枚 |
発電容量 |
500kW |
500kW |
600kW |
運用開始 |
2013年7月26日 |
2014年1月29日 |
2015年1月29日 |
年間 発電量 |
約629MWh (住宅換算約126戸) |
約536MWh/年 (住宅換算約107戸) |
約852MWh/年 (住宅換算約170戸) |
※住宅1戸当たりの平均年間電力使用量 : 5,000kWh/年(総務省統計局「家計調査」データより) |
㈱スピナでは、環境に配慮する視点から、再生可能エネルギーである太陽光に着目し、既存施設の屋根を利用した太陽光発電事業に参入致しました。太陽光発電設備を設置している施設は、北九州市に立地する「スピナマート穴生店」「スピナラソリエ高見店」「スピナガーデン大手町」の3 箇所です。合計約4,000 ㎡の面積で、総出力450kW(キロワット)の発電能力を有し、年間約13.5万kgのCO_{2}を削減します。スピナは太陽光売電事業を通じて今後の電力需要に対応するとともに、地域社会の一員として脱炭素化・省エネ活動を推進し、環境負荷低減に貢献してまいります。
(株)西鉄ストア「あんくる夢市場 甘木店」では、2014年1月より太陽光発電事業を実施しています。店舗にソーラーパネル(太陽光発電設備)を設置しており、2022年度は約10.8万kWh(住宅換算約19.6世帯分)を発電しました。今後も地域社会の一員として地球環境に配慮した取り組みを推進するとともに、低炭素化・省エネに努めてまいります。
●レジ袋削減の取り組み(ストア事業)
㈱西鉄ストア全店舗では、2020年7月1日より、政府の取り組みに沿って、全店舗でレジ袋有料化を実施しています。実施から3年が経過し、2022年度のレジ袋辞退率は80.6%となり、プラスチック廃棄物の削減に貢献しています。有料レジ袋の収益金は、地域の環境保全、地域貢献活動に活用いたします。
引き続き、マイバック持参を呼びかける啓発活動(店頭ポスター・声掛け)等も継続し、レジ袋辞退率を上げ、環境保全等の取り組みを継続してまいります。
●プラスチック製品の見直し(ストア事業)
㈱西鉄ストアでは、2022年8月から全店舗のレジで配布するスプーンおよびフォークの見直しを行い、プラスチック製品から木製へと変更いたしました。今後もプラスチック製品等の削減を推進し、海洋プラスチックごみ問題への対策をはじめ、石油資源の節約やCO2排出量の削減に貢献できるよう努めてまいります。
●プラスチック製品の見直し(フード事業)
㈱西鉄ストアでは、2021年5月から、運営するマリンワールド内のレストランで使用するストローをプラスチック製品から紙製へ、マドラーをプラスチック製品から木製へとそれぞれ変更いたしました。また、同様に運営するマリンワールド内のレストラン、博多やりうどん全店において、お持ち帰り用のレジ袋を環境に配慮した「バイオマスレジ袋(バイオマス原料25%使用)」に変更いたしました。今後もプラスチック製品等の削減を推進し、海洋プラスチックごみ問題への対策をはじめ、石油資源の節約やCO2排出量の削減に貢献できるよう努めてまいります。
●レジ袋削減の取り組み
㈱インキューブ西鉄では、2020年7月1日より、政府の取り組みに沿って、レジ袋の有料化を実施しています。レジ袋辞退率は開始より毎月約90%となっており、プラスチック廃棄物の削減に貢献しています。引き続き、マイバック持参を呼びかける啓発活動(店頭POP・声掛け)等も継続し、レジ袋辞退率を上げ、環境保全等の取り組みを継続していまります。