まいど!もうかってまっか、ぼちぼちでんなぁ。
たこ焼き、お好み、吉本新喜劇…。
大阪のイメージは実にステレオタイプだ。
だがそれは、ほんの一部の顔にすぎない。
ほんまの「大阪」を求め、高速バスは浪速をめざす。
 
  

[福岡→大阪] (ムーンライト号)
●ご予約 西鉄高速バス予約センター
TEL.092-734-2727
 
たこ焼き、吉本だけじゃない ほんまの大阪はミナミにあり。
 大阪は、喰いだおれの街である。バスを降りて、さっそく旨いもんを…とその前に、ひと口に「大阪」と言っても広い街。大阪の街はキタとミナミに大別され、高速バスが停まる梅田界隈をキタと呼び、歓楽街・北新地を抱く大阪の大ビジネス街。片やもっとも「大阪」らしいエリアが今回ご紹介するミナミである。そしてそのミナミもエリアごとにカラーが違っているからさらに面白いのだ。キタからミナミへは地下鉄で10分足らずの一直線、楽チンに移動できるので心配ご無用だ。
 さて、大阪名物といえば、たこ焼き、お好み焼き、てっちりなどとよく言われる。しかし地元民に言わせると「お好み焼きは意外に少ないねんなぁ。伊勢エビが1本丸ごと入ったゴッツイお好みとかあるけど観光的やな」だそうだ。たこ焼きも蛸がデカくて甘辛いソースばかりが本流ではない。例えばアメリカ村にある「味穂」のたこ焼きは、中身がトロトロでダシがジュワ〜ッとしみ出て実に旨い。これは必食!
 今回は「ほんまの大阪の味」を探求してみたい。地元民曰く「ほんまの大阪の味」は「うどん」と「肉」だと言う。関東の「そば」に対して関西はうどん文化圏。しかも匠、技、繊細、上品とかそんな言葉が思い浮かぶようなダシの旨みは、とても大阪チックで味わい深い!
 そして肉と言えば大阪では牛肉のこと。道頓堀や千日前界隈には、すき焼き屋や焼肉屋、洋食屋などが目に付くが、そのほとんどが、肉屋がやっている場合が多く、ハンバーグに使う端肉ですらとてもいい肉を使っていて美味しい。
 ミナミの食べ物は大阪人の気質をよく反映している。これは食べ歩くにつれ次第にわかってくるから面白い。例えば、くいだおれやカニ道楽などの看板に見られる、人とは違うことをしよう…という「いちびり」なセンス。例えば、今井のうどんのダシと「へんこ(頑固)」という大阪弁に収斂される独自の美学。例えば「牛肉」というハイカラな食べ物に対する「初もん食い(新しいもの好き)」な感覚。そして、すべての根底には浪速商人の旺盛なサービス精神が流れている。
 歩いて面白いと言えば大阪のファッションもそうである。御堂筋から西、長堀通から南の一帯をアメリカ村、通称「アメ村」と呼び、若者の店が軒を連ね、派手でストリート色の強いエリアだ。キューティー系やジッパー系の若者がそこかしこにいて、中心地・三角公園の週末は、もう万国服飾博覧会状態。対する、御堂筋西、長堀通から北のエリア「南船場」は、アメ村より少し年齢層が高く、落ちついた印象を受けるはず。福岡でいうなら大名界隈。つまり小ギレイに着こなしている人が多い。大阪を代表するブランド「エヴィスジーンズ」の本丸もここにある。じっくりマン・ウォッチングしたいなら、街の人気カフェやバーに入ってみることだ。アメ村なら「タンクギャラリー」。店主の古谷さんはとてもオープンで心地いい。南船場なら「ガーブ」あたり。洋服屋カンケイのカッコイイ人たちが、夜な夜な集って飲んでいる。
 そんな彼らの挨拶も、確かに「まいど」から始まるのだが、バーで「なに飲む?」「オレ、カツ丼!」的な吉本ノリで、この大阪を見てるんじゃあ、多分この街は理解できない。食も衣も、知るほどに既存イメージとは遠ざかる、それが大阪、ミナミのほんまの姿なのだ。