【最終回】
 
1908(明治41)年〜2008(平成20)年

 西鉄100年の歩み

 今回は2年9ヵ月に及んだ連載を締めくくるにあたり、西鉄が歩んできた1世紀を総括し、次の時代に向けた経営ビジョンのキーワードをご紹介します。
  西日本鉄道は、九州電気軌道として1908(明治41)年に小倉市(当時)に設立され、この12月に創立100周年を迎えました。
  戦時下における産業統制という外部要因はありましたが、1942(昭和17)年9月の福岡県下5私鉄合併により、福岡市を本社とする西日本鉄道が誕生しました。また44年までに直接統合した47事業者を含め、県下の100以上の事業者から継承したバス事業は、後にわが国最大規模に成長しました。
  1960年代前半の最盛期には1日あたり電車94万人、バス148万人のお客様が利用され、グループ全体で2万人以上の従業員の雇用を確保しました。
  長年にわたり経営を支えてきた福岡・北九州両市の軌道(路面電車)事業は、産業構造の変革、モータリゼーションの進行や都市構造の変化により市場が縮小、70年代以降、撤退を重ねていきました。
  一方で、終戦直後に進出した国際物流事業や60年代に本格化した都市開発・住宅・流通の各事業は、お客様のご利用、投資家の支持、従業員の努力、あるいは地域社会や行政のご理解により拡大を続け、近年は運輸事業と並んで経営を支えています。
  2008年の今年は、創立100周年の節目を迎え、感謝の気持ちをこめて、様々な記念イベントや商品の提供を展開しました。また5月からは、ICカードといった次世代を担う新事業もスタートしました。
  西鉄は、これまでも時代に応じて経営の主役が交替し、しかも会社やグループ全体がそれを支えつつ、また新しい主役を育んだ歴史を刻んでまいりました。100年の歴史の中で醸成したDNAを継承し、これからも「弛まぬ変革」に挑戦し続けます。(完)

9月22日の創立記念日には建築家、安藤忠雄氏を講師に招いて、「夢かけて走る」をテーマに創立100周年記念特別講演会を開催。抽選で選ばれた一般招待者700名をはじめ西鉄グループ関係者などが、街づくりのあり方などの内容の講演を、熱心に聞き入った。 5月18日、100周年記念を謳う最大の事業として、ICカード「nimoca(ニモカ)」のサービスを開始。バスや電車の乗車券として、また商品購入ができる電子マネーとして使用ができ、2010年にはJR九州や福岡市地下鉄、さらにJR東日本でも利用ができる予定である。
軌道やバス事業の創業でも縁の深い太宰府の地で、9月から西鉄創立100周年記念特別展として、九州国立博物館で「国宝 天神さま-菅原道真の時代と天満宮の至宝」が開催され、道真公や天神様信仰に関する文化財や至宝など120点が公開された。 8月に発祥の地である北九州市小倉の井筒屋本店で、翌9月には福岡市天神のソラリアプラザにおいて、前身5社などの創業から現在の西鉄に至るまでを、当時の映像・写真や蒐集家の保有するコレクションなどを展示して紹介する「西鉄の100年展」を開催した。