【第29回】
 
1999(平成11)年〜2001(平成13)年

 規制緩和とバス・電車の新展開

 今回は、時代の要請である規制緩和に対応した、バス・電車の新しい事業展開についてご紹介します。
  わが国の公共交通機関は第二次大戦期に、行政主導の統合による事業規模の拡大、経営の安定化方策が進められました。
 戦後復興期と高度成長期においても、経済活動や社会生活を支えるため、この体制は踏襲されます。需給調整の名目で路線網や輸送力維持を念頭に置いた参入規制と、公共料金抑制と適正利潤確保を図る価格規制が続けられ、事業拡大や撤退、運賃改定には許認可が必要でした。
 低成長時代の到来と経済のグローバル化が進む中で、1990年代に入り、高コスト構造や内外価格差是正を目的に、公共交通機関においても市場自由化がいわれるようになります。旅客輸送の分野でも先ず貸切バスに、続いて路線バスと鉄道にも参入・撤退や運賃設定に柔軟性と自由裁量を持たせる、規制緩和方策が導入されました。
 西鉄はこの規制緩和の潮流を積極的にとらえ、市場確保と拡大を指向します。
 バス部門では「グランドパス65」や「エコルカード」といった従来の概念を変えたフリー定期券や、福岡都心部と都市圏主要駅での100円運賃、福岡〜北九州間の1000円高速バスなど、値下げした運賃設定を行い、長年減少していた輸送人員の増加に成功しました。
 鉄道部門でも西鉄天神大牟田線・福岡市地下鉄で使用でき、しかも西鉄バスにも使用できるSFカード「よかネットカード」の導入や、対象区間を限定した回数券方式のプリペイドカード「パルカード40」をはじめ、各種の企画乗車券を発売するなど、利用者のニーズに応えた商品開発に努めました。
 次回はシニアマンションや保育園といった、西鉄の新しい事業についてご紹介します。

2000(平成12)年7月には福岡・福岡空港〜小倉間を1,550円から1,000円に変更するなど、主に福岡県内を運行する高速バスの値下げを実施した。他交通機関に対する競争力強化を図ると共に、規制緩和対策も兼ねたもので、結果は利用者の増加をもたらした。 1999(平成11)年7月から、ドル箱区間ともいえる天神-博多駅間のバス運賃を180円から100円にプライスダウンし、注目を浴びた。この新運賃の認知促進と回遊性の向上をねらい、地下鉄とも競合する同区間内を走る解りやすいバスとして、「100円循環バス」の運行を開始した。
対象区間を利用者の多い天神大牟田線の福岡(天神)〜二日市間に限定し、25〜20%の高い割引率を適用、週休2日制浸透により割高となった定期券に代わる商品として、2001(平成13)年1月に従来の回数券の概念を超えたプリペイドカード「パルカード40」の発売を開始した。 バス部門では既に磁気式SF(ストアードフェア)カードを採用していたが、1999(平成11)年4月の大牟田線での導入に際し、関東・関西に先駆けて複数事業者、複数モード(鉄道・バス)に使用でき、プレミアムも付加した「よかネットカード」を発売し、利便性の向上を図った。