―それぞれのプロジェクトでの役割を教えてください。
松岡「プロジェクトリーダーとして全体のプロデュースを行なった他、プロダクツデザイナーの松熊伸幸と一緒に内部デザインを担当しました。ただ、基本的には、参加した6名全員で外装も内部もディスカッションしながら進めていきました」
後藤「私を含め、かねこしんぞう、平松聖悟の3名のグラフィックデザイナーが参加し、主に外装デザインを担当しました」
原「プランナーとしてコンセプトデザインを担当しました。みんなが同じ方向を向くことができるよう、目に見えないデザインの考え方を統一する役割があります。何のために、どう使うのか。その背景を理解するために『能動的調和』という言葉を設定し、全体の流れをつくっていきました」
―新デザインでは、どのような点を重視したのですか?
松岡「ダーウィンLLPにはプロジェクトに関わっていないメンバーが他に7名いますが、そのデザインのプロたちの意見を吸い上げることも大切だと考えました。いろいろな人間のフィルターを通すことで、より良いものができる。さらに西鉄さんにも協力してもらい、自動車事業本部だけでなく広報など、社内のさまざまな部署を巻き込んでデザインを進めました。多くの人間が関わると摩擦を生みますが、それがまた刺激的でもあり、チャレンジでもあったと思います」
後藤「いかにコンセプトに基づいたデザインができるかが大切だと思っています。ですから最初のコンセプトづくりに苦労しました。また、新デザインのバスが連なった景色をイメージしながら外装はデザインしましたね。街並に溶け込みながらも、さりげなく主張するデザイン。できあがったものには満足しています」
原「異業種のメンバーが集まっているので、同じ言葉を使っているからといって必ずしも同じことを意味しているとは限らない。そうした概念共有のための言葉づくりに心をくだきました。作業を進めるプロセスそのものがデザインだと思っています」
―具体的な作業としては?
後藤「外装デザインでは、400台近くのバス模型のデザインサンプルを作り、考えられるデザインのすべて発案し、検討しました。ですから最終的に決まった案は、すべての可能性が詰ったデザインという自負があります」
原「一般の方々へのアンケートやヒアリングを行ない、その結果を数値化してデザインの参考にしています。外部の目を入れることは公共デザインの客観性を保つ上で重要だと考えています」
松岡「外装に使われた5色も、たくさんの近似色を鉄板に塗って、それを外に並べて検討しました。日なたと日陰でも色の見え方が違いますから」
―交通機関であるバスは機能性や安全性も大事ですね。
松岡「内部のデザインでは段差がわかりやすいなど乗る人の安全性はもちろん、女性運転士でも運転しやすいよう運転シートを工夫するなど、運転する側の機能性や安全性にも考慮しています。その点では西鉄の方々の意見をたくさん取り入れましたね」
後藤「外装では入り口が認識しやすいよう、ストライプで両側を囲んでいます。また遠くから見ても西鉄バスとわかることも機能性のひとつだと思います。横からだけでなく、CGを駆使して、あらゆる角度から見え方を研究してデザインを決めています」
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