【第25回】
 
1983(昭和58)年〜1993(平成5)年

 高速バスの全国展開と船舶事業の再興

 今回は高速バスの全国展開と船舶事業の再興についてご紹介します。
1983(昭和58)年3月、中国自動車道が全通、同時に運行を開始したのが、福岡天神と大阪梅田という両都市の主要ターミナル間(646km)を直結する夜行高速バス「ムーンライト」です。従来の常識を覆した乗客定員33人、トイレ、ピッチ1m超のシートを備えた新設計車両を投入、ひざ掛け、マルチステレオとビデオ放映、起床時のジュースとおしぼり配布、見知らぬ男女が並ばぬよう配慮した座席指定など、新幹線や航空機にひけを取らないサービスを実施、一躍好評を博しました。
86年には日本初の独立3列シート、乗客定員29人の夜行専用車両を西日本車体工業で開発、わが国夜行バス車両の標準スタイルを確立します。
90年10月には日本最長の1161kmを走破、首都東京最大のターミナル新宿に達する、高速バス「はかた」号の運行も開始、最盛期には本州・四国11都府県と九州6県を結ぶ、50路線のネットワークを構築しました。
同時期に西鉄グループは博多湾周辺のレジャー産業にも進出、89年にオープンしたわが国最大級の水族館「マリンワールド海の中道」の運営を受託します。
91年には、前身の博多湾鉄道汽船が37(昭和12)年に開設したものの、戦争の激化により撤退した湾内の船舶事業を再興、海の中道とシーサイドももちを15分で結ぶ高速船「マリンライナー」の運航を開始します。
そして93年には、博多湾内を周遊しながら西鉄グランドホテルの本格的フランス料理を楽しめる、レストランシップ「マリエラ」を就航、福岡の新たなレジャー資源を提供しました。
次回は企業理念制定とVIシステム導入についてご紹介します。


東京の京王帝都電鉄(当時)との共同運行により、90年10月12日から運行を開始した「はかた」号では、当初は長時間の車内での窮屈感を緩和するサロンシートを設置、飲物サービスに加えてロールパンや缶詰サラダの軽食も用意した。 大阪の阪急バスとの共同運行により、83年3月24日から運行を開始した「ムーンライト」。車両仕様やボディカラー、車内サービスを同一とし、ピーク時には最大20台もの続行便を運行、日本のバス事業における新たな市場を開拓した。
93年4月18日から運航を開始した「マリエラ」は、ベイサイドプレイス博多埠頭から出発するクルージング船であり、「ランチ」「ディナー」「ナイト」クルーズを中心に、パーティやデートコースとしても好評を博した。 長崎の安田産業汽船との共同運航により、91年3月3日から運航を開始した「UMINAKA LINE」で活躍したマリンライナーは、博多湾内では約40年ぶりの西鉄の船舶事業であった。