金赤、黄、藍、紅、緑、紫、ルリ、そして島津紫が昨年8月に加わり、現在8色。自然の中にある美しいパターンと “ぼかし”の技術が薩摩切子の魅力だ(写真上)。吹き場工房での成形から、カット場での完成まで、11もの工程をたどる。繊細なガラス工芸品ゆえ、どの工程にも確実な仕事が要求される。

●鹿児島県観光のお問い合わせ  「観光かごしま大キャンペーン推進協議会」099-223-5771まで
文/鹿田 吏子
Text:Satoko shikade
撮影/笠井 鉄正
Photo:Tetsumasa Kasai
絵/浜竹睦子
Illustration:Mutsuko Hamatake
 
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タネ巻き、色被せ、型吹き、仕上げ。吹き場では、職人から職人へと無駄のない動きで作業が進められていく(写真上)。薩摩ガラス工房に隣接する直営のショールームでは、薩摩切子ほか、島津切子や薩摩焼なども購入することができる。
[薩摩ガラス工芸]
A鹿児島市吉野町9688-24
099-247-2111
8:30〜17:00 
なし※工場見学は月曜定休(祝日の場合は火曜)
 戸末期に、薩摩藩28代藩主の島津斉彬によって経営された工業群「集成館」事業。その事業の1つでもあった薩摩切子は、無色と色付きの2重のガラスに切り込みを入れることで『ぼかし』という独特の美しさを表現した、オリジナルのガラス工芸。当時の日本の文化水準の高さを、世界にアピールできる美術品だった。その後、斉彬の死や薩摩戦争によって姿を消すものの、120年の歳月を経て、昭和60年に島津家と鹿児島市の協力のもと、ごく僅かの現存品と文献から復元が実現。再び薩摩の名品として蘇った。現在、島津家の別邸、仙巌園の隣に工場を構える「薩摩ガラス工芸」では工場が一般開放され、製作工程を見学することができる。夏は45度にもなるという吹き場工房での成形、カット場での磨き。職人が歳月をかけて習得した正確な動きが作品を仕上げていく。隣接するショールームで、実際に完成作品を眺めると、その価値を改めて認識するはずだ。また近年は、忠実に再現してきた「復元薩摩切子」に「島津紫」という新色や、より実用的な「創作薩摩切子」、二色の色ガラスを被せた「新・島津薩摩切子」なども登場。新たな輝きを持って、薩摩の美しい文化の歴史を先導している。 

 の開花も待ち遠しい3月。日本らしさを改めて想うこの季節に、歴史と郷土料理を求め、鹿児島を訪れた。
 幕末から明治にかけての激動期、日本列島の南端にありながら、全国に名を知らしめた薩摩藩。その立役者である西郷隆盛や大久保利通ほか、数多くの有志たちは、ほとんどが同じ町内で生まれ育った。それが鹿児島中央駅から徒歩5分、「維新ふるさと館」のある加冶屋町周辺。薩摩では、古くより「徳育・知育・体育」を柱にした独自の子弟教育が行なわれ、藩政時代には、武士の教育システム「郷中教育」の充実により、このような偉人が生まれた。今年3月で12年を迎える維新ふるさと館のリニューアルでも、この教育方針に注目。より深みのある歴史散策が楽しめるだろう。
 またリニューアルと言えば、薩摩藩主島津家の別邸・仙巌園に隣接する「尚古集成館」。そもそも史料や文書、工芸品など、島津家に伝わる約1万点を所蔵する博物館だが、ここも昨年10月にリニューアル。日本初の洋式軍艦の建造や反射炉の造成、薩摩切子などの産業を育成した28代・島津斉彬の偉業や近代日本の歩みに焦点を当てている。いち早く海外を見据え突き進んだ先見の明に驚きながら、その頑固で柔軟な姿勢を垣間見ることができるはずだ。現状に甘んずることなく、常に新しさを追求する薩摩気質。鹿児島の町には、そんなエネルギーが満ち溢れている。
 さて、辺りはすっかりいい時間。夕陽に照らされ、ピンクに染まる桜島の姿も格別。日が暮れるとあちらこちらからイルミネーションが点灯し、昼とはまた違った表情を見せてくれる鹿児島の夜であった。
 
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オススメのお店
【天文館 吾愛人本店】【HANASAKAN Cafe】
【カレー屋 吉次郎】【リストランテ アドマーニ】
 
【2006年2月現在】
[福岡→鹿児島]桜島号
(共同運行/鹿児島交通・南国交通・林田バス・JR九州バス) ※座席指定制
●運賃 福岡(博多駅・天神)→鹿児島 大人片道5,300円(往復8,000円)
●所要時間 3時間29分(天神〜鹿児島中央駅前間最速)
●運行本数 1日10.5往復
●ご予約 九州高速バス予約センター 0120-489-939
<ケータイ・PHS> 092-734-2727 
<インターネット予約> http://www.rakubus.jp/
●お問い合わせ 西鉄テレホンセンター
福岡 092-733-3333
http://www.nishitetsu.co.jp/bus/highway/


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