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| 白壁と柳のコントラストが美しい倉敷の町並み。大通りから小さな路地を抜けていくと、思いもかけない風景に出会えることがある。これが倉敷歩きの楽しみだ。 いつもは古本屋や雑貨屋など味のある店が並んでいる本町通。屏風祭が行われる10月15日・16日には、本町通に面する32軒の民家が、自慢の屏風や道具類を並べる。 | |||||||||||||||
| 文/定井慶子 Text:Keiko Sadai 撮影/瀬田川勝弘 Photo:Katsuhiro Setagawa 絵/浜竹睦子 Illustration:Mutsuko Hamatake |
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今回、目指す場所は、10月15日(土)と16日(日)に「屏風祭」という催しが行なわれる倉敷市美観地区だ。観光客でにぎわう掘割沿いの道から外れ、家と家が迫る路地をつつっと抜けると、このイベントのメイン会場である本町通へと出る。いつもは静かに往時を偲ばせる本町通も人があふれ、この日ばかりは、かなりの活況を呈している。 そもそも「屏風祭」とは、江戸時代に行われていた阿智神社の秋の祭礼時に、通りに面した商店や民家が格子戸をはずして自慢の屏風を飾り、花を活けて道行く人をもてなしたことに由来する。名代の絵師に描かせた屏風絵たるや見事なもので、今も鮮やかな屏風を見ていると、天領であった頃の華やかな町の様子が目に浮かぶようである。 そんな日本の美的感覚に触発されて、アート心がむくむくと湧きあがってきた。 国の重要伝統的建造物保存地区に選定されている美観地区には、ランドマークともいえる「大原美術館」をはじめ、数多くのギャラリーが点在していて、アート気分を満たしてくれる町でもある。蔦の絡まった壁や掘割に映る柳など、景色までもが、写真家気取りで思わずシャッターを押したくなるような被写体の連続なのだから。 まずは、神殿のような建物が目を引く「大原美術館」へ。足を踏み入れると、いきなりロダン作の銅像が目に入る。エル・グレコ「受胎告知」やモネ「睡蓮」、ゴーギャン「かぐわしき大地」など、私立美術館とは思えないほど、世界的な名画が一堂に会しているのに驚くばかりだ。 そんな高揚した気分のまま、ギャラリーめぐりへ行くと、思わぬお気に入りに出会ってしまい、若い備前焼作家の器をひと揃え買ってしまった…。どう使おうかと思いをめぐらせるのも楽しいものだ。 さあ、日も落ちてきたら「屏風祭」第2幕の始まり。掘割にはおよそ1000本のキャンドルがともされ、様々なオブジェがその光に照らされている。その幻想的な光景に見入っていると、ふと空腹に気が付く。 芸術の秋より、食欲の秋というわけだ。 ママカリに地タコ、瀬戸内の幸を提供する郷土料理の店も多い。名物料理を食べずして、帰れるものか。幸い、帰路への道すがら倉敷中央通りには飲食店がよりどりみどり。あれもこれもとはしご覚悟で、さてまずはどこから攻めるべきか…倉敷なら旅の楽しみは尽きない。 |
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