コスモスのメッカといえばここ。年によって微妙に変わるが、一番の見ごろは9月下旬〜10月中旬。また春には菜の花やアイスランドポピー、夏にはヒマワリやアメリカフヨウなども花を咲かせるので、季節ごとに違った表情が楽しめる。入場料開花時期のみ300円。  [生駒高原] 宮崎県小林市南西方生駒高原 0984-27-1919(花の茶屋) 8:45〜16:45 冬期休(詳細は未定) 
「えびの」と聞けば、まず風にそよぐススキを思い浮かべる人も多いはず。最近は硫黄の噴出量が減り、地名の由来となった「えび色」も昔ほど鮮やかではなくなったとか。(写真下)
文/葉山巧
Text:Takumi Hayama
撮影/三苫正勝
Photo:Masakatsu Mitoma
絵/浜竹睦子
Illustration:Mutsuko Hamatake
 
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 びの高原の夏は快適だ。標高1200m、平均気温約20℃。無数の樹木と空の青さはさらなる清涼感で訪問者を包みこみ、都会でためたストレスをきれいに一掃してくれる。
 そんな夏も、9月の到来とともに去っていった。肌を刺す冷気が風に忍びこみ、景色には新たな季節を告げる「色」が加わる。そして、それを観賞するため、人々はまたここへやってくるのだ。
 「色」は2種類。ひとつは50万本以上のコスモスで、えびの高原東側の生駒高原を中心に展開する淡い色彩の競演は、かつてここに一大観光ブームを巻き起こし、大勢の観光客が押し寄せた。ブームが落ち着いたいまも、花の価値や愛らしさに変わりはない。満開期の光景に人々はため息を洩らし、コスモスは長らく「えびの・霧島エリア」の代名詞であり続けている。
韓国岳への登山口としても利用される硫黄山。名前のとおり以前は硫黄が地表から噴き出しており、その雰囲気たっぷりの情景から付いた愛称が「賽の河原」である。
 代名詞といえば、もうひとつの「色」=ススキもそう。もっとも、秋になると美しいえび色に染まるため、この辺りが「えびの」と呼ばれるようになった  という由来と歴史を考えれば、むしろ「看板」的存在と言ってもいいかもしれない。

 こで少しだけ、えびの高原の歴史をひも解こう。小林ICから県道1号線を南西に向かうと、やがてアカマツの天然林「赤松千本原」が見える。それを南側にたどった先にそびえるのが霧島連山の最高峰・韓国岳(標高1700m)。えびの高原はこの火山が噴火して生まれたものである(ススキがえび色になるのも、火山ガスに含まれる硫気が原因)。
 活発な火山活動のため、地表を覆うのは主にススキとアカマツだけという時代があった。しかし昭和30年代に変化が訪れる。ミヤマキリシマやコスモスなどを率先して植えた、宮崎交通創立者・岩切章太郎氏の尽力で華やかな観光スポットとして注目を浴びたのだ。それを機に「えびの・霧島」の魅力も再発見されていく。四季折々の表情、温泉、名水、野生動物たち…。
 輝く星をちりばめた夜空も忘れてはならない。生駒高原のある小林市は旧環境庁に5度も「星空の美しいまち」に選ばれている。だから陽が暮れたときは、ぜひ空を見上げてほしい。ロマンに浸るもよし、哲学的思索にふけるもよし。自然のたてる音以外、周囲の静寂を破るものは何もないのだから。
 そう。えびの高原においては、「何もないこと」こそが素晴らしい。ススキやコスモスのそよぐ音に耳を傾け、厳かな大自然の営みに五感で触れる。それで十分。近代設備に頼らなくとも、驚きや楽しみは自然の中にきっとある  この雄大な風景の前に立つと、いつもそんな可能性に心が昂るのだ。

 
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【2005年8月現在】
[福岡→小林]フェニックス号
(共同運行/宮崎交通・九州産業交通・JR九州バス)
●運賃 福岡(博多駅・天神)→小林インター 片道5,500円
(小林インターよりえびの高原までは、
宮崎交通えびの高原行きバスで約40分)
※座席指定制
●所要時間 2時間50分(天神→小林インター間最速)
●運行本数 1日25往復
●ご予約 九州高速バス予約センター0120-489-939
<ケータイ・PHS> 092-734-2727 
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