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| 10/1〜11月末だけの風物詩。延岡市街からもっとも近いのは大瀬大橋下の<延岡水郷やな場>で、市内には他に<岡元鮎やな>がある。 | |||||||||||||||
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初夏に五ヶ瀬川・大瀬川を遡っていった鮎たちが、秋になると同じ道筋をたどって海へ戻っていく。もちろん、河口での産卵のため腹にたっぷり卵を抱えたままでだ。「妊婦」たる鮎たちへの後ろめたさもいっとき限り。秋ならではの猛烈な食欲には勝てそうにない。毎年10月1日から2ヵ月間だけ、前記の川の数カ所に、木材を組みあげたシンプルな構造物が現れる。これが、一説では300年の歴史を持つといわれる『鮎やな』。要は川に障壁を造り、隅のほうに設けた逃げ道から鮎を呼びこむ伝統漁法だ。川岸の簀の子に続々と落ちる鮎はすぐに隣の小屋へ運ばれ、塩焼きやせごしや鮎めしなどに姿を変え、最後には満ち足りた人々の舌鼓となる。 驚くのは鮎の大きさだ。よほど水質や地形が適しているのだろう。さすがは球磨川と並ぶ、九州の鮎のメッカである。「鮎は全国各地で味や姿が微妙に違うけど、ここのが一番だね」。毎年ここへ足を運ぶ地元のおじさんが胸を張る。手前味噌だなぁと笑いつつ、香ばしい塩焼きを一口ガブリ。途端に柔らかな身から、フワリと広がる豊かな芳香!異義を唱える理由など、どこにもなかった。 食事の料金設定はどこもほぼ同じ。定食2,850〜3,500円、塩焼き1,300円、味噌焼き1,100円、せごし450円などがある。 |
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捕れたての獲物をすぐにさばき、青空の下でにぎやかに食べる この行為にはどんな豪奢な店もかなわない、キャンプにも似た原初的な悦びがある。涼やかな水流の音、頬をなでる風。これぞ延岡の秋の、象徴的な風景だ。胃袋も満タンになったところで、川に沿って延岡市街へ向かう。市街地は、北の五ヶ瀬川と南の大瀬川が海に向かって合流する三角地帯、つまり中州状のエリアにある。人口12万5千の街の真ん中をゆったりと流れる大きな川は、延岡市民の温和な人柄をそのまま表しているかのよう。 腕時計が3時を指すと、「ゴーン」と鐘が鳴った。城山公園の鐘が時を告げているのだ。いまどきこんな風流な時報があるとは。聞くと、江戸時代には太鼓がこの役目を務めていたが、西南戦争で焼失。その替わりに鐘が据えられ、以来ずっと市民に時を知らせ続けているのだとか。延岡を長く離れていた人は、これを耳にしてやっと帰郷を実感するという。「ふるさとに帰り来たりてまづ聞くは かの城山の時告ぐる鐘」。そう詠んだ歌人・若山牧水も、この音に郷愁を抱いたのだろうか。 歩いているうちに陽もとっぷり暮れた。と、提灯や看板が次々に灯りはじめる。それで初めて気がついた 寿司屋や居酒屋など、そこかしこで多彩な料理店が暖簾を掲げていることに。そう、ここは昔から山の幸にも海の幸にも事欠かない食の宝庫。ふらりと店に飛びこめば、思わぬ驚きに会えるかもしれない。 さっきまでの満腹感はもう過去の話。さて、それでは延岡の「底力」、とくと拝見するとしようか。 五ヶ瀬川を下る鮎は「オチ鮎」とも呼ばれる。6月の若鮎もうまいが、延岡の人々はこの時季の子持ち鮎の方を好んで食べるのだそう。 |
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