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| 熊本県民はことさら郷土愛の 強い人々である…とはよく聞く話。 実際、この地を訪ねてみれば、 それもうなずける気がする。 「水の都」「森の都」。 熊本には昔から、こんなに素敵な 冠がついていたのだから。 街でも田舎でも、このふたつには事欠かない。 もちろん水前寺成趣園もそのひとつだ。 |
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| 文/葉山巧 Text:Takumi Hayama 撮影/三笘正勝 Photo:Masakatsu Mitoma 絵/浜竹睦子 Illustration:Mutsuko Hamatake |
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そんな想像をふくらませながら、池の周囲の散策路をのんびりと歩く。庭園の向こう側で頭を突きだしているビルの影に気づくまで、いつしかすっかり人口67万都市の中心部にいることを忘れていた。 全国にも名高い水前寺公園は、寛永13年(1636年)に細川家3代(初代肥後藩主)忠利公が御茶屋を築造したのをきっかけに、その後4代光尚公、5代綱利公の3代まで、約80年の歳月をかけて完成した。名称は陶淵明の詩から「成趣園」と命名され、正式には「水前寺成趣園」という。園内には出水神社、能楽堂などがあり、毎年約100万人の来園者が訪れる。入園400円。写真(上)は古今伝授の間から見た眺め。 [水前寺 成趣園] 熊本市水前寺公園8-1 TEL:096-383-0074 営業時間:7:30〜18:00(12〜2月は8:30〜17:00) 休:なし |
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この庭園のもっとも完璧な眺めを楽しめるのは〈古今伝授の間〉。県の重要文化財であり、国内初の勅撰和歌集『古今和歌集』にまつわる由緒ある建物だ。当時、勅撰和歌集(勅命または院宣を奉じて編纂した歌集)の原盤に触れ、和歌を解釈することを許された少数の人々がいた。細川家初代幽斎公もそのひとりで、彼が八条宮智仁親王に『古今和歌集』解釈の奥義を伝授したのがここなのである。 |
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