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| 過剰すぎず、不足もない。 そんな絶妙の”こぢんまり加減“が、なんとも快適な街・小倉。 ここでいま、新たな試みの花が咲きつつある。 芸術都市として、商業都市として、またひとつステップを踏みだした。 小倉のさらなる魅力を体感する、初秋の一日。 |
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| 文/葉山 巧 Text:Takumi Hayama 撮影/三笘正勝 Photo:Masakatsu Mitoma 絵/浜竹睦子 Illustration:Mutsuko Hamatake |
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| 小倉と聞いて、思い浮かぶものってなんだろう。焼きうどんに祇園太鼓、それともパンチパーマ?(そう、ここが発祥の地だ)…いずれにせよ大方の人が、庶民生活の温度が感じられるようなキーワードをずらりと並べるのではないだろうか。 このなかに、そろそろ仲間入りをさせたいものがある。それが11年目を迎える『北九州演劇祭』。8月23日〜11月9日の期間中、市全域で、ふだんめったに見られないプロの劇団や草の根的に活動している地元市民劇団の熱いパフォーマンスを、低料金で見られるイベントだ。とりわけ今年は壮麗な北九州芸術劇場のオープンで演目の幅が広がり、市内外から訪れるファンを湧かせている。 小倉と演劇の組み合せを意外に感じる人もいるかもしれない。いやいや、遠賀川流域の炭坑町に活気があった昭和初期、労働者たちのいちばんの娯楽は観劇だった。しかもそれでは飽き足りず、みずから劇団の真似事を始めた人々も少なくなかったとか。「芝居好き」の遺伝子が受け継がれていても不思議はない。事実、小倉は大衆演劇や学生演劇が今も盛んな土地柄。つまりはこの演劇祭、古くて新しい小倉の「顔」のひとつなのだ。 |
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劇場の余韻を楽しみながら、ふたたび路上へ。紫川方面へぶらりと散歩していると、以前よりも周囲が華やいだ感じであることに気がついた。これは演劇祭効果ばかりではない。新名所、リバーウォーク北九州が老若男女を引き寄せているのだ。話題のショップや映画館、芸術劇場や北九州美術館分館(10月開館)などを擁する大型ショッピングモールで、はやくも北九州の代表的商業施設になりそうな勢い。ここなら半日は余裕で遊べそうだ。 「リバーウォークの後は、小倉城を経由して旦過市場方面へまわるといいよ」と地元の人が教えてくれた。なるほど、適度な距離の散策コース。せっかくだから、久しぶりに旦過市場に寄り道しよう。ここは昔ながらの小倉に会える場所。心地よい喧噪に耳を傾けつつ、ある商店主に話しかけてみた。街は最近どうですか?「移り変わりのテンポが早いよねぇ。でも小倉っ子の人情味は変わらない。内輪だけじゃなく、外から来た人とも仲良くしたくてたまらないんだよ」。 その言葉が嬉しくて、軽い足取りで市場を出た。そうだ。小倉って、古着を大切にしながら新しい服を探し続けている人みたい―ふと、そんなことを思う。だからいつ訪れても小倉の表情は昔のままだし、それでいて、どこかちょっぴり新鮮なんだ。 |
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